フリーランスエンジニアへの転職を考えるとき必ず必要になるのがスキルシート(職務経歴書)です。
ですがあんまり書く機会がないので、いざ書こうとすると「スキルシートってどう書けばいいんだっけ?」となりますよね。
どうせ書くなら失敗したくないし、せっかくならウケの良いスキルシートを作って転職活動を有利に進めたいのが人情です。
スキルシートはフリーランスエンジニアへの転職を考えるとき最も重要なモノの一つです
それはもう超超超重要。
なぜならスキルシートは現場の人事担当者やプロジェクトマネージャなどの採用に関わる人が最初に目を通すものであり、スキルシートがダメだと会ってすら貰えないからです。
僕は今フリーランスエンジニアとして活動していて、もちろんスキルシートも随時更新しています。ありがたく多くの企業様から商談の引き合いも頂けています。
この記事ではその経験をもとに簡潔で見やすく、失敗しないウケの良いスキルシートの書き方を伝授します!
採用担当者の目にとまるスキルシートを作ることができれば、その後の商談も盛り上がりフリーランスエンジニア転職がグッっと近付きます。
ぜひ本記事を参考いただき素敵なスキルシートを作り上げ、フリーランスエンジニアとして一歩を踏み出してください。
エンジニアのスキルシート基礎知識
まずはエンジニアのスキルシートの基礎知識について紹介します。
スキルシートは持っている技術をアピールする営業資料
エンジニアのスキルシートとは、これまでの経験をプロジェクト単位でまとめて自分の持っている技術やスキルを伝えるモノです。
現場の人事担当者やプロジェクトマネージャーなどに「会ってみたい」と思わせるための一番重要な資料となります。
フォーマットは特に決まりはなく経験とスキルを分かりやすく記載する必要があります。
・・・が、そう言われても困っちゃいますよね。スキルシートの基本構成や使いやすいテンプレートについては後述しますので安心してください。
スキルシートと職務経歴書の違い
スキルシートと職務経歴書はこれまでの経験やスキルを分かりやすくまとめたもので両者にそれほど違いはありません。
ことエンジニアの場合は、自分の持っているスキルをアピールすることに特化したものがスキルシートというイメージ。
強いて違いをあげると、フリーランスエンジニアはスキルシートのみで営業活動するため氏名や学歴、資格などの基本情報や自己PR欄をスキルシートに含みます。
対して職務経歴書は履歴書とセットで運用されるため、履歴書と重複するような基本情報は記載しない。
といった違いがあります。
スキルシートはフリーランスの案件探しで最も重要なものの一つ
繰り返しになりますがスキルシートはフリーランスの案件探しで最も重要なものの一つです。
理由としては下記があります。
- スキルシートによる書類審査に通過しないと商談に進めない
- 経験やスキル、チームワークなどのソフトスキルがプロジェクトに適性あるか判断される
- 案件のミスマッチを回避できる
- スキルシートのデキが単価に反映され年収に影響する場合がある
まずスキルシートによって企業の担当者に審査されますが、通過しないと商談に進めません。
チェックされるのは経験やスキルがプロジェクトにマッチしているか、チームワークやリーダーシップがありメンバーに良い影響を与えてくれそうかなどチェックされます。
スキルシートの完成度は年収にも影響する
紹介される案件の単価は「〜90万円」のように表現され、企業が月額で出せる上限が決まっていますが下限は決まっていません。
スキルシートによる書類審査と商談による事実確認・印象によって企業側から最終的に掲示される単価が80万円だったりMAXの90万円だったり変動するのです。
月単価が10万円違ったら年収で120万円の差になります。
案件参画後の単価交渉もできますが一度単価が決まるとなかなか上がらないのも事実なので、最初にできることは何でもヤルの精神でいきましょう!
スキルシートも年収に影響するんですね・・・
企業から見たら参画前の応募者の情報はスキルシートと商談だけだからね。最初の単価に与える影響は大きいよ
スキルシートがいかに重要かわかりますね!
エンジニアのスキルシートの基本構成
スキルシートのフォーマットに特に決まりはありません。
・・・が、記載しなければならない項目や記載した方が良い項目はあります。
必要な情報をフォーマットにしたのが下の図です。
エンジニアのスキルシートは大きく分けると、
- 「基本情報」欄
- 「自己PR」欄
- 「経歴・スキル」欄
で構成されます。
「基本情報」はその名のとおり氏名や年齢などの基本的な情報です。
「自己PR」は得意な技術や業務、また自己PRを書いていきます。
「経歴・スキル」はこれまでの経歴に対し具体的にどんな業務を担当し、そのとき使った技術や身につけたスキルを記載します。
スキルシートに必要な項目とその記入方法
前項でスキルシートには以下のブロックがあることを説明しました。
- 「基本情報」欄
- 「自己PR」欄
- 「経歴・スキル」欄
ここでは各ブロックに対して実際にどんなことを書いていくのか解説します。
基本情報
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 学歴(最終学歴)
- 資格
- 最寄駅
氏名 | 鈴木 太郎 |
年齢 | 満30歳 |
性別 | 男性 |
学歴 | ○○大学△△科 卒業 (他には、某専門学校△△科 卒業など) |
資格 | 基本情報技術者試験 |
最寄駅 | JR渋谷駅 |
基本情報に関して迷うことは少ないと思います。
資格は正式名称を調べて記載しましょう。
自己PR
- 得意技術
- 得意業務
- 自己PR
得意技術 | PHP, Laravel, JavaScript, Python, SQL |
得意業務 | ECサイトの設計・実装 |
自己PR | Webサービスの開発において設計から実装、テストと運用まで経験しています。 直近ではC向けECサイトの立ち上げから参画しMVCやMicroservicesアーキテクチャ、 Responsive Designなどのデザインパターンを使って、高いユーザーエクスペリエンスを提供できる Webサービスを構築しました。 開発はプロダクトオーナーとの綿密なやり取りを心がけ、手戻りがないよう丁寧な・・・ |
自己PRは書くのが大変です。
普段から自己分析していないと急に自己PRとか言われても何書いていいかわからなくなりますよね・・・。
自己PRについてどのように組み立てるかはご自身で考える必要があるのですが、考え方の手順を載せますので参考にしてください。
自己PRの作り方
紙のメモ帳でもアプリでも何でもいいので、自分の経験やスキルをどんな細かいことでもいいので洗い出してください。
オススメはマインドマップにザァーーっと書いていく方法です。
思いつくまま書き出した経験やスキル、やったことや心掛けていることなどを関連性のあるものでグルーピングします。
多くの項目を洗い出せてグループ数が多くなってしまった場合、自己PRとして全て掲載すると冗長になったりします。
なので、多いなと思ったら優先度を付けておきましょう。後ほど自己PR文とした場合に省く項目が分かりやすくなります。
グループ単位に文章にしていきます。適切にグルーピングできていれば項目を繋げるだけでもそれっぽくなると思います。
一例として、
- どんな経験があるのか?
- 具体的に何をやって結果どうだったのか?(できるだけ定量的に)
- 開発において心掛けていること
- ソフトスキル(リーダーシップ・チームワークなど)について
- 今後の目標
に関連することをバランス良く配置して文章表現を整えれば完成します。
経歴・スキル
- 担当した期間
- 具体的な業務内容
- チームでの役割やチーム規模
- 使用言語
- 使用したDB
- 使用したサーバのOS
- 使用したフレームワーク、ミドルウェア、ツール等
- 担当した工程
期間 | 2021年1月 – 2021年12月 (12ヶ月間) |
業務内容 | ○○サービスの新規開発 <担当業務> ・ステークホルダーとの仕様折衝・検討 ・要件定義書作成、実装、テスト <習得スキル> ・機能提案や調整に関するノウハウ ・Laravelを用いたECサイト開発ノウハウ <コメント> (気をつけた点や評価された点など記入する) |
役割 | メンバー or リーダーなど |
規模 | ・開発メンバー:5名 ・デザイナー:1名 など。 ※守秘義務がある場合はボカす |
使用言語 | PHP(~8.0) JavaScript(ES6以降含) |
DB | MySQL MongoDB Redis |
サーバOS | EC2(Amazon Linux) |
FW・MW・ツール等 | Laravel v9 Git/Github Docker Slack |
担当工程 | 担当した工程にチェックをつける |
経歴・スキルはスキルシートの中で最も重要なエリアです!
企業側はこの経歴やスキルを見て、今のプロジェクトとマッチしそうかどうか判断するからです。
経歴は新しいものが上に来るように日付の逆順で記載していきます。
「能ある鷹は爪を隠す」なんて言いますが、スキルシートにおいてはスキルを隠しても良いことが何もないです。
自分は何ができてどんな経験があるのか、使用した技術やツールは細かいものでも漏らさず記入しましょう。
プロジェクト名やメンバー規模に関して、「守秘義務で開発規模などは外部に内緒」となっているケースがあります。
そのときは「約○人程度」など上手くボカしましょう。
プロジェクトの開発規模がライバル企業にバレることを懸念してるんですね
実際のエンジニアスキルシートの事例
上図は実際に書いてみたスキルシートの一部です。
課題としてはもう少し定量的な実績が入れられたらなぁと思っています。(パフォーマンス何%向上とかコスト何%減らせたとか)
スキルシートの書き方について大体イメージできたでしょうか?
次からスキルシートのテンプレートや作成のヒントを紹介していきます。
エンジニアスキルシートのテンプレート
スキルシートのテンプレートは、レバテックフリーランスさんが公開しているテンプレートが非常に見やすく使いやすいです。
リンクをクリックするとGoogleスプレッドシートが開くので、[ファイル] > [コピーを作成]をクリックして自身のドライブにコピーして使います。
そのまま使っても良いですし、不要な項目があればカスタマイズして使うといいでしょう。
ポートフォリオを持っていたらスキルシートに記載すべき
ポートフォリオは公開された自身の成果物で、自分のスキルを証明するのに役立つものです。
よくデザイナーやイラストレーターの方が、手掛けた作品をWebでギャラリーにして紹介していますよね。この人に仕事を依頼するとこんなものが仕上がるんだというイメージが湧きます。
エンジニアのポートフォリオも同じように、「この人はこんなスキルがあってこんなものが作れるんだ」と相手にイメージしてもらいやすくなるので、もし持っている人はぜひスキルシートに記載しましょう。
「フリーランスエンジニアになるためにポートフォリオって必要ですか?」
という質問をそこそこ頂きます。回答としては、
- ポートフォリオは必ず必要なわけではない
- けど、あるとそれだけ評価され有利になる
ポートフォリオがあると、「この人はプライベートでもバリバリにアプリ・システムを作ってるんだな」と学習意欲も評価されます。
なのでどちらかというとある方が絶対的に有利ですが、ない場合でも企業でエンジニアしていた経歴が何年かあれば問題なくフリーランスになれます。
ポートフォリオの種類
ポートフォリオは実装して公開したサービスやアプリケーションが定番です。
が、他にも自分の能力やスキルセットをアピールできるものはあります。
- 実装して公開したサービス・アプリケーション
- QiitaやZennなどで書いた技術ブログ
- Github
これらのポートフォリオがあれば是非スキルシートにURLなど確認できるものを記載しましょう!
落ちないスキルシート(職務経歴書)作成【6つのコツ】
スキルシートを作成する上で失敗しないためのヒントを紹介します。
職務経歴書を作成する場合でも注意するところは同様です。
1. 直近の経歴を上に書く
スキルシートに記載する経歴は日時の逆順で記載しましょう。
採用する側にとって、応募者が直近何をやっていたかが重要なので直近の経歴が上に書いてあった方が読みやすいです。
2. 技術スキルは理解の深さがわかるように書く
技術スキルとして使用した言語やDB、フレームワークを記載しますが、コメントとして自分はその技術を使ってプロジェクトで何をしたのか、どんな役割を果たしたのかを記載すると良きです。
これは商談時にも確認されたりするのですが、その技術をちょっと触ってみただけの場合とちゃんとメリット・デメリットを理解して適切に使える人とでは理解の幅に違いがあります。
実際の開発では、エンジニアがシステムの使用技術をアップデートしたくとも、ビジネスとの兼ね合いや工数コスト的に難しいことも多いです。その場合に何に気をつけて開発したのかなど書けると具体性があって目を惹きます。
技術スキルは新しい技術や流行っている言語などのトレンド性の高いものと、古くからあるデザインパターンやDDDに代表するアーキテクチャパターンなどがあります。
- トレンドスキルは新しい技術をキャッチするアンテナ感度と実際に試してみる手の早さや行動力
- デザインパターンやアーキテクチャに対する知見はエンジニアとしての基礎力・地力
と評価されるポイントが異なるため、どちらがどれだけあるのか分かるように作れるとベストです。
3. ソフトスキルについて具体性を持って記載する
ソフトスキルとは誠実さやチームワーク、問題解決能力などチームで連携したときの仕事の進め方に影響力を与える特性です。
チームで仕事をしていて、「なんとなくこの人と仕事しにくいな・・・」って感じることはありませんか?
ソフトスキルがありチームに良い影響を与えてくれる人ならいいけど、これがマイナスだとチーム全体の生産性に影響します。
採用する側も爆弾を抱え込みたくはないのでソフトスキルは重視します。
ただソフトスキルはどの程度あるのか文章にするのはなかなか難しいです。
こういう場面でこうした、みたいな価値観の分かる内容を定量的に盛り込めるとベストです。
4. やりたいことをアピールする
エンジニアとして技術に対して「やりたい!」という気持ちがある人は評価されます。
例えば、
- Aさん「特にやりたい技術はありません!」
- Bさん「○○の技術に興味があってやりたいと思っています!」
という二人がいたら、どちらの人と仕事がしたいか?多くの人はBさんと答えると思います。
スキルシートに記載するスペースがないときは商談で口頭でアピールするのもありです(案件で求められるスキルとマッチする場合)
実際に商談で質問されることもあるため、やりたいことに対する回答は用意しておくのが無難です。
その際は、「やりたいこと」を既に試した状態にしておきましょう。
今はほとんど全ての技術について無料(あるいは安価)で試せる時代です。
例えば僕はReactに興味があって「やりたい」と思っているので、Reactの教本を買って実際にサービスを作ってみたりしています。
Reactを試すのは「create-react-app」のコマンド一発でできます。お金もかかりません。
プライベートでもできるのに「やりたいこと」を「やってない」というのはマイナスの印象になります。
「やりたいこと」はできる範囲でやっているのが大事なんですね!
プログラミングはほぼ何でも無料で試せるからね
5. 開発でどの工程が経験あるのか一目でわかるようにする
一言に開発と言っても要件定義から実装、運用まで様々なフェーズがあります。
自分がどこを担当したのか(できるのか)明確に分かるようにしておきましょう。
と言っても、これはスキルシートのフォーマットを作り込んでおけば自然と記入できるものです。
レバテックフリーランスさんが公開しているテンプレートでは最初から項目がわかりやすく入っているのでオススメです。
6. スキルシートを声に出して読む
スキルシートが完成したら一度実際に声に出して読んでみることをオススメします。
なぜなら声に出して読むことによってスキルシートの誤字・脱字や文章表現として不適切な箇所が発見できるからです。
誤字や脱字があると、企業の採用担当者に「この人は大事な場面でミスをしそうだな」みたいなイメージを持たれかねないので注意が必要です。
スキルシート作成時の注意点
スキルシートを作成するときは気を付けるべきところがあります。
守秘義務についてです。
新しいサービスの情報だったり、やってることや規模がライバル企業にバレると企業活動において不利になります。
なので基本的には我々が働くときは企業と守秘義務を結ぶこととなります。サラリーマンでも同様です。
企業名は伏せておいた方が無難(守秘義務に気を付ける)
スキルシートに具体的な企業名を記載することは控えましょう。
担当したプロジェクトに関しても「ECサービスの開発」のようにボカすのが無難です。
あの企業のサービス案件だな・・・と分かってしまうと、使っている技術スタックや開発規模(力の入れ具合)が分かってしまいます。
定量的な表現を使う
スキルシートではできるだけ定量的な表現を使うことが大切です。
できるところは数字を使って説得感を出しましょう!
スキルシートを添削してくれるフリーランスエージェント
出来上がったスキルシートについて、「こんな感じで大丈夫かなぁ」って不安になると思います。(僕はなりました)
フリーランスエージェントに登録するとエージェントの担当者がスキルシートの添削や相談に乗ってくれたりします。
例えばレバテックフリーランスではスキルシートの記入内容について不安があればエージェントの担当者が丁寧に添削し改善点を教えてくれます。
フリーランスエージェントを使い倒すのも、フリーランス転職には必要不可欠ですね!
高単価案件を獲得したい人、初めてで何をすればいいかわからない人には非常にオススメ。
【ポイント】
・業界最大級の案件数
・業界トップクラスの高単価報酬、低マージン
・コーディネータの対応が丁寧
・案件参画中のフォローが充実している
・12職種44言語の幅広い案件保有
・平均年収876万円
まとめ
本記事ではフリーランスエンジニアのための「簡潔で見やすく、失敗しないウケの良いスキルシートの書き方」を解説しました。
スキルシートはフリーランスエンジニアが案件を獲得する上で最も重要なものの一つです。
スキルシートに決まったフォーマットはありませんが大枠は以下の要素で構成されます。
- 基本情報
- 自己PR
- 経歴・スキル
自分の経歴やスキルをアピールできる数少ない書類なので丁寧にアピールしましょう。
同時にスキルシートは読まれることが目的なので、その立場に立ってわかりやすいものを作る意識がとても大切です。
出来上がったら何度も読み直し推敲して完成度を高めましょう!
本記事を読んで下さった読者様が素敵なスキルシートを作り、ガンガン案件取れることを心より応援しています!
ファイトです!
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