- フリーランスエンジニアになるための情報が多すぎて実際どうしたらいいかわからない
- フリーランスエンジニアになるためにまず何をすればいいのかわかりやすく教えてほしい
- 実際にフリーランスエンジニアになった人はどうやったのか知りたい
本記事はこのような人に向けて執筆しています。
昨今ではフリーランスエンジニアになるための情報もたくさん見かけるようになり、実際にフリーランスに転向するエンジニアも増えています。
しかし、逆に情報が溢れすぎて「どんな順番で何をすればフリーランスになれるんだ?」というところが分かりづらくなっています。
実際僕がフリーランスになったときもたくさんのサイトで情報を収集しましたが、今にして思えば不要な情報も多かったなと感じます。
僕は34歳でフリーランスとして独立し、現在も活動している現役フリーランスエンジニアです。
この記事ではフリーランスエンジニアになるために必要なことを実体験をもとに解説します。
これからフリーランスになるためにはまず何をしたらいいのか詳細はもちろんのこと、情報を俯瞰しやすいよう概要もまとめました。
フリーランスになるために何をすればいいか明確になれば、早ければ1ヶ月程度でフリーランスエンジニアとして独立できます。
フリーランスエンジニアに興味がある人は、ぜひこの記事を参考にしていただき最初の一歩を踏み出してください!
フリーランスエンジニアのなり方【7STEPで簡単に紹介】
フリーランスエンジニアのなり方を7STEPで簡単に紹介します。
もしまだエンジニアとしての実務経験がなければフリーランスで案件を獲得するのは非常に難しいです。
最低でも1~2年、可能であれば3年は会社員としてエンジニアの経験を積むことをオススメします。
初めてフリーランスとして独立する場合、フリーランス専門エージェントに登録して案件を探して貰うのが最も効率的で単価(報酬)も高くなります。
僕が利用している高単価かつ案件の豊富な、初めての独立開業に絶対オススメしたいフリーランスエージェントは以下の記事で紹介しています。
>> 初めての独立開業にオススメのフリーランスエージェント5選
賢いエージェント選びで独立を有利に進めましょう!
過去から現在までやってきたことをもとにスキルシートを作成します。
フリーランスエージェントに登録すると「ここを埋めてね」っていうフォーマットが貰えます。
フリーランスとして案件を獲得する上で、スキルシートは超重要です。
スキルシートの書き方は『失敗しないスキルシートの書き方』の記事で紹介していますので合わせてご覧ください。
案件にエントリーすると、書類選考 → 商談(Zoomなどでのオンライン)という流れで進みます。
また、自分で案件を選ばなくてもフリーランスエージェントの担当者がスキルマッチする企業と連絡してくれて商談の引き合いも貰えます。
商談がうまくまとまったらおって参画予定日が決まるので、それまでに現職を退職します。
フリーランスは日程の刻みが短く、商談後2週間後には案件参画ということもあるため結構退職のスケジュールはシビアです。
フリーランス(個人事業主)として独立するため、税務署に開業届を提出する必要があります。
地域の税務署をググって尋ねると開業届のフォーマットが置いてあるので記入して提出します。
いよいよ案件に参画します。初日からフルリモートだったり、初日だけ物品貸与のため出社が必要だったりは案件によります。(ここは普通の会社員転職と変わりません)
レバテックフリーランスを使うと、参画初日に同行してくれたりします。
以上が会社員エンジニアからフリーランスエンジニアに転向するときの7STEPです。
STEP1は既にエンジニアとして働いている方はスキップできるので、実質6STEPでフリーランスになれます!
フリーランスエンジニアになるまでの具体的な手順
フリーランスエンジニアのなり方についてより詳細で具体的な手順を解説していきます。
実務経験を1〜3年積む
実務経験がない方は、正社員としてエンジニアになり実務経験を1〜3年積みましょう。
「実務未経験からフリーランスエンジニア!」と言ってる広告を見かけることがありますが、
未経験からいきなりフリーランスになることは非常に難しいのが実情です。
エージェントで紹介される案件内容の多くは実務経験○年以上の条件がついています。
運よく未経験からフリーランスエンジニアとして採用されたとしてもある程度の自走力や問題解決能力がないと短期で契約が切られてしまう可能性があります。
実際に実力不足で1ヶ月と経たずに切られた人を何人か見たことがあります
プログラミング言語スキルは2年以上の開発経験が条件の案件も多いため、できれば2年実務経験を積むと選べる案件の幅が広がります。
「PHPのフレームワークを使った開発経験2年以上」といった案件は多いです
フリーランスエージェントに登録する
フリーランスエージェントは転職エージェントと同じようなもので、利用者のキャリアカウンセリングから職務経歴書作成のサポート、利用者の希望とマッチした仕事を紹介してくれます。
フリーランスは自身で企業に営業しないといけないと思われがちですが、その部分はフリーランスエージェントが代行してくれます。
初めての独立の場合、フリーランスエージェントに登録して希望の案件を探して貰うのが最も効率的で単価(報酬)も高くなります。
- 最初は上手く営業できない
- 自分の市場価値がわからず企業に買い叩かれてしまう可能性がある
という可能性があるからです。
最初は大手のフリーランス専門エージェントに登録してキャリアカウンセリングを受けてみることをオススメします。
僕が利用している大手エージェントはどれも高単価かつ案件が豊富です。
初めての方にぜひオススメしたいエージェントです。
『初めての独立開業にオススメのフリーランスエージェント5選』で紹介しています。
これを選んどけばエージェント選びは失敗しません!
自分のスキルシート(職務経歴書)を作る
通常の転職と同じくフリーランスエンジニアも案件に応募するために職務経歴書が必要です。
フリーランスエージェントに登録すると職務経歴書のフォーマットが貰えるので、自分の経歴を棚卸ししてフォーマットを埋めていきます。
ウケの良い職務経歴書を作るには以下の内容を盛り込むことが必要です。
- どんな業務内容、ポジションの経験があるか(リーダー経験などある場合はアピールする)
- 何人ぐらいのチーム、規模での開発経験があるか
- 扱える言語、ミドルウェア・DB、FWやツール等
- 開発工程は何の経験があるか(例えば、要件定義から設計、実装、テストや運用経験)
「失敗しないスキルシートの書き方」の記事で詳細な説明をしているので合わせてご覧ください。
スキルシートで差をつけましょう!
募集企業にエントリー・商談する
案件内容を確認しエントリー
フリーランスエージェントのキャリアカウンセリングを受け、職務経歴書を提出するとあなたにマッチした企業案件を紹介してくれます。
紹介された案件内容を確認して、興味があればエントリーします。
- どんな作業内容か
- 求められているスキルセット
- 単価(月の報酬)の目安
- リモートワークの有無など案件の特徴
自身でエントリーしなくてもエージェントの方が職務経歴書を元に企業と交渉してくれるので、企業があなたに興味を持ってくれたら商談の引き合いを貰えることもあります。
商談(イメージは志望動機などがない転職面接)
職務経歴書による書類選考が終わったら、実際に企業の担当者と商談します。
イメージは転職の面接とほぼ同じですが、その企業を志望する理由などは聞かれません。
また多くの場合商談は1回なので転職面接みたいに1次選考、2次選考・・・と続くこともありません。
商談は基本的にはオンライン(ZoomやGoogle Meet)で行います。
企業の担当者のほかフリーランスエージェントの方も同席してくれるので、司会進行はエージェントに任せてしまって大丈夫です。
商談の流れは以下の通りです。
- 企業側から案件(プロジェクト)の詳細説明
- 応募者が職務経歴書をもとに自身の経歴やアピールポイントを話す
- 企業側から応募者への質問
- 応募者から企業側への質問
当然ですが、オンライン面談とはいえ清潔な身だしなみでのぞむことが重要です。
オンラインは声の通りがオフラインより悪かったりするのでいつも以上にハキハキと喋ることを意識しましょう。
実際に採用担当者が「雰囲気や喋り方などの人となりはチームに馴染めるかに直結するので重要視する」と言っていました
現職を退職する
商談がうまくまとまったら参画予定日が決まるので、それまでに現職を退職します。
退職はフリーランスになるから特別なにかある訳ではありませんが、以下の2点には注意が必要です。
- 退職のスケジュールがシビアなので就業規則を確認しておく
- 退職前に事業用のクレジットカードを作っておく
退職のスケジュールがシビアなので就業規則を確認しておく
現職場に退職届を提出してからどれぐらいの期間で退職できるかは事前に確認しておいた方がいいです。
なぜならフリーランスエンジニアの参画予定日は商談した日から数えて2週間後ぐらいになることがよくあるからです。
僕も参画予定日が2~3週間後となったため慌ただしく退職した記憶があります・・・。
法律上は退職の14日前までに申し出ればいいこととなっています。(参考:民法第627条)
・・・が、引き継ぎなどが忙しくなってしまったり慣例として1ヶ月前までには申し出ることになっている会社も多いと思います。
もし大丈夫であれば企業へのエントリー・商談は退職後にやった方が慌てません。
退職前に事業用のクレジットカードを作っておく
必ず必要ではありませんが、退職前に事業用のクレジットカードを作っておくことをオススメします。
フリーランス(個人事業主)は自分で確定申告する必要がありますが、そのときに「このクレカ明細は事業用のもの!」となっていると資料を作るのが楽だからです。
クレジットカードの作成には審査が必要で、会社員は信頼があって審査に通りやすいので退職前に作りましょう。
僕は楽天カードを事業用にしています
地域の税務署に開業届を提出する(他、健康保険と年金を切り替える)
地域の税務署を調べ、そこで開業届を記入・提出します。
フォーマットは税務署にあります。
- 個人事業開業届出書
- 所得税の青色申告承認申請書(※必ず必要ではないですが、節税効果が高いので提出をオススメします)
- 個人番号(マイナンバーカード、個人番号通知カード、個人番号が載っている住民票の写しなど)
- 印鑑
マイナンバーカードがない場合、別途運転免許証などの本人確認書類が必要です
開業届は事業を開始してから1ヶ月以内に提出する必要があります。
(参考:国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
国民健康保険、国民年金に切り替える
国民健康保険、国民年金への加入も時間のあるときにやっておきましょう。
会社員のときは社会保険、厚生年金に加入しています。
フリーランス(個人事業主)の場合は社会保険、厚生年金に加入することができないため国民健康保険、国民年金に加入する必要があります。
国民健康保険、国民年金の加入手続きは地域の役所でできます。
案件が始まるとバタバタしちゃうので、早めに済ませておきたいですね
企業案件に参画する
案件に参画します。
日時や場所、持参品などは事前に教えてくれます。
初日からフルリモートだったり、初日だけ物品貸与のため出社が必要だったりがありますが案件によるので事前の連絡をよく確認しましょう。
レバテックフリーランスを使うと、参画初日に同行してくれたりするので心理的に安心です(笑)
業務に使うPCは私物?貸与?
案件に参画したら実際にPCを使って業務していきますが、
PCを自分で用意する必要があるのか、会社が貸与してくれるのかは案件によって異なります。
自分で用意する場合でも、商談のオンライン面談で使ったPCがあると思うので開発時にパフォーマンス不足がなければそれで大丈夫と思いますが、
他の社員の方とOSが異なると開発環境構築で躓いたりするのでどんなPCで開発しているのかは事前に確認すると良いです。
経験上Web系開発企業はMac(MacBook Pro)を使うことが多いですね
フリーランスエージェントがしてくれること
フリーランスエージェントがしてくれることをリストします。
- キャリアカウンセリング
- 職務経歴書(スキルシート)作成サポート
- 案件探しや営業
- 案件参画後の事務処理サポート
- ちょっとした福利厚生(特定の施設やジムなどが安く使えたりする)
フリーランスエージェントは案件探しをしてくれるだけでなく、職務経歴書(スキルシート)の作成を手伝ってくれたり、案件参画後の事務処理をサポートしてくれます。
フリーランスエージェントを通していると案件参画後に毎月の請求書作成や、契約更新についての企業との調整、改めて契約書を作成する作業を代行してくれます。
これすごく便利で、自分は案件の作業に集中していれば良いので普通の会社員と同じように過ごせるんですよね。
フリーランスエージェント利用の費用について
フリーランスエージェントは利用に費用がかかります。
と言っても、登録したりカウンセリングを受けたりするのは無料です。
ではどうすると有料なのかというと、フリーランスエージェントを通して案件契約した際は毎月報酬の数%を天引きした金額が自分に振り込まれる、といった感じです。
フリーランスエージェントに支払うマージンは原則非公開となっていますが、一般的なマージン率は10%〜25%と言われています。
毎月の報酬単価もマージンを引いた後の金額表示で契約が進むため、利用者はいくらマージンが引かれているのかは正確に知ることはできません。(公表しているエージェントも一部ある)
しかし、コネのある企業と直接契約できる場合を除いて、フリーランスエージェントは何かしら使用する一択だと思います。
自分で企業に営業するには時間も信用もないし、契約書もろもろ用意したり毎月の請求書を作ったりは知識がないとできません。
必要経費と割り切って単価を上げる努力(技術力や問題解決能力を上げる)のがエンジニアの本領だと思っています。
フリーランスエンジニアの働き方と実情
現役フリーランスエンジニアの目線で、フリーランスエンジニアの働き方や実情について解説します。
フリーランスエンジニアの年収
上図は大手フリーランスエージェントのPe-BANKが独自に調査した年代別平均年収です。転職大手のdodaのデータも引用し、正社員エンジニアと比較してみました。
フリーランスエンジニアの年収が高いですね
年功序列じゃなくスキルが評価される、保障がない、この2点で年収が高くなっています
同じく大手フリーランスエージェントのレバテックフリーランスでは利用者の平均年収は876万円です。
ひと月に換算すると73万円、健康保険料や年金等のお金を支払っても正社員より手残りは多い。
フリーランスエンジニアの働き方・仕事内容は会社員とほぼ同じ
フリーランスの働き方には受託開発と業務委託があります。
受託開発は、「○○というシステムを作って納品してください。納品の報酬はXX円です」といった具合に納品したモノに対して報酬が支払われます。
業務委託は、「企業のメンバーとして月○○時間働いてください。報酬は月XX円です」という風に業務に従事した時間に対して報酬が支払われます。
フリーランスエンジニアの多くは業務委託で、僕も業務委託で働いています。
業務委託はメンバーとしてチームに参加するので、作業は基本的には社員と同様の内容です。
詳しくは『フリーランスエンジニアとは?正社員との違いや収入面の実情を現役フリーランサーが徹底解説』の記事で解説しています。
フリーランスエンジニアも休暇や残業代はある
業務委託の場合、月の清算時間の幅が事前に決まっており多くは140時間〜180時間です。
この精算時間幅の中であれば契約時の基本金額が報酬として受け取れる感じです。
例えば単価60万円(時給約3,800円)で契約している場合、140時間を下回ったらその時間分の報酬が引かれ、180時間を上回ったらその時間分の報酬が上乗せされます。
8時間フルタイム勤務を週5で1ヶ月続けた場合、8時間 × 20日 = 160時間となるので、上下20時間は調整が効きます。
月に20時間休めるので、1ヶ月で平均2日(16時間)は休んでも報酬に差は出ません。
フリーランスエンジニアのメリット
- 会社員に比べて月収・年収が高い
- 経費をコントロールできる
- 比較的簡単に案件(現場)をチェンジできる
フリーランスエンジニアは会社員に比べて月収・年収が高いです。
その分退職金がなかったり税金の会社負担がなかったりしますが、上手く節税すれば手残りのお金はフリーランスの方が高くなります。
節税に関連し、経費をコントロールできるのもメリットです。
昨今は在宅ワークが増えましたが、家を仕事に使うため家事按分といって家賃や電気代、インターネット接続料金の一部を経費にできたりします。
経費によって課税所得を抑えて節税します。
また、個人的に一番のメリットと感じているのは簡単に案件(現場)をチェンジできることです。
サラリーマンの場合は転職回数が多いとジョブホッパーのように転職で悪印象になるんじゃないかと心配が出てきますが、フリーランスは契約を更新しなければそこで仕事が区切ることができ、次の現場に行きやすいです。
とはいえ、短期で案件チェンジしていると流石に理由を聞かれると思うので、あくまで常識的な範囲で案件チェンジしやすいという意味です。
一つのプロジェクトをずっと続けていると飽きてしまう僕は案件チェンジしやすいことにすごく助けられてる・・・
フリーランスエンジニアのデメリット
- 確定申告が面倒
- 節税は自分で調べて実施する必要がある
- 働けなくなると収入がゼロになる
フリーランス(個人事業主)はエンジニアに限らず確定申告が必要です。
確定申告では毎年決まった時期にその年の売上と経費を資料にまとめて税務署に報告します。
売上や経費を仕訳に起こす必要があり面倒ですが、今はFreeeなどのクラウド会計ソフトがあるので知識ゼロでも簡単に確定申告できます。
フリーランスエンジニアのデメリットと対処法は↓の記事で解説しています
>> なぜ?「フリーランスエンジニアはやめとけ」といわれる理由【現役フリーランスがリスクとデメリットを考察】
フリーランスエンジニアについてよくあるQ&A
Javaは基幹システムやスマホ(Android)などカバー範囲が広いため求人数が多いですね。
JavaScript、PHP、Python、RubyはWebシステム開発でよく使われています。
Goはマイクロサービスのバックエンドとして採用されることが増えてきました。
まとめ
本記事ではフリーランスエンジニアのなり方について解説しました。
フリーランスエンジニアには以下の7STEPでなることができます。
- 実務経験を積む(既に実務経験がある人は不要)
- フリーランスエージェントに登録する
- スキルシート(職務経歴書)を作る
- 企業の案件にエントリー・商談する
- 現職を退職する(就業規則によっては④の前が無難)
- 地域の税務署に開業届を提出する(他、健康保険と年金を切り替える)
- 案件に参画する
これだけ手順があると難しそうに感じますが、フリーランス専門のエージェントを使えば簡単にフリーランスエンジニアとしてスタートを切ることができます。
- スキルシートを作る
- 条件の合う案件を探す
- 商談のサポート
- 契約書の締結
これらを全てエージェントが代行してくれるからです。
エンジニア専門のフリーランスエージェントはいくつもありますが、初めての場合は案件数が多くサポートも手厚い大手エージェントを利用するのがオススメです。
初めての独立開業にオススメのエージェントは↓で紹介しています
>> 初めての独立開業にオススメのフリーランスエージェント5選